現代の店舗集客におけるデジタルマーケティングは日々刻々と変化しています。
チラシ配布やポスティング、メディア露出といった古くからある手法に加え、現在ではSNSでの訴求やGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)、YouTube、集客媒体での訴求などの手段が増え、どこに注力をすべきか迷っている店舗オーナーが多いと感じています。
そんな数ある手段の中で一つ、地域密着においてずば抜けている手段の一つがMEO対策と言われています。すでにGoogleビジネスプロフィールを運用されている方や、これから運用を始めたい方に向けて、有益な内容をお伝えしますので、最後までお読みいただけると幸いです。
目次
この記事を読むべき人
- Googleビジネスプロフィールから集客が実感できていない方
- 運用にかけるコスト(時間・費用)を見直したい方
- これからMEO対策を始めようと思っている方
- リピーター集客がしたい方
1,MEO対策の費用対効果を確認する前に本当にMEO対策すべきか考える
1-1,MEO対策に向いている業種
MEO(マップエンジン最適化)は、特に地域密着型のビジネスに大きな影響を与えます。
- 飲食業:レストラン、カフェ、バーなど、地域の顧客をターゲットにする飲食店。
- 小売業:地域に店舗を構えるスーパーマーケット、衣料品店、家電量販店など。
- サービス業:美容院、整体院、クリーニング店などの地域密着型サービス。
- 医療・健康業界:歯科医院、クリニック、フィットネスクラブなど、地域住民の健康をサポートする施設。
- 不動産業:不動産会社や賃貸管理会社など、地域の不動産市場に焦点を当てる業種。
- 教育業界:塾、予備校、音楽教室など、地域に根差した教育サービスを提供する施設。
これらの業種は地域の顧客に対して直接的な影響を与えるので、MEO対策を通じて地域内でのオンライン視認性を高めることが非常に重要となります。
1-2,どのようなシチュエーションで顧客が欲しいか
緊急性が高いサービスや即時性を求められるサービスはMEO対策と特に相性が良いです。
顧客が「今すぐ近くの…」や「このあたりでおすすめの…」といった検索をする際にトップに自店の情報が表示されることで顧客の比較検討に並ぶことができます。
サービスの価格帯が高い場合や、顧客が多くのリサーチを必要とする業界の場合はGoogleビジネスだけではなく、ホームページなどのその他の安心材料を用意しておくことが重要になりますが、顧客獲得導線における認知を獲得したい場合はMEO対策は良い手段と言えるでしょう。
1-3,ほかの集客手段とどう違うのか
SNSなどに力を入れている店舗も多いですが、それぞれの特徴を把握していく必要があります。
手段 | スタイル | 性別 | 年齢 | 特徴 |
MEO対策 | 地域密着 | 男女 | 10~50代 | 地域を主軸とした検索にマッチするが、知識と技術が求められる。 |
ポスティング | 地域密着+話題性 | 男女 | 全年齢 | 低コストかつ地域密着だが、クレームの可能性あり。 |
地域情報誌 | 地域密着+話題性 | 男女 | 地域による | 地域に根差したブランディングができるが、リーチが限定的。 |
話題性 | 女性多 | 20~40代 | 若年層に強いリーチがあるが、競争が激しいプラットフォーム。 | |
X(旧ツイッター) | 話題性 | 男性多 | 20~50代 | 即時性がある情報発信で幅広い年代にリーチできるが、文章力が必要になる。 |
TicTok | 話題性 | 男性微多 | 10~20代 | 若年層向けでエンターテインメント性が高い。 企画を作成する難易度が高い。 |
youtube | 話題性 | 男性微多 | 10~70代 | 長期的なブランド構築に有効。 時間とコストがかかる。 |
2,現在のMEO対策の状態を確認する
2-1,順位の確認
自店が地域でどのくらいの順位なのかを確認するために最も良いのはGoogleのシークレットウィンドウを活用することです。
シークレットウィンドウ内で〈地域 キーワード〉と検索をすると店舗がずらっと表示されるので上から順番に数えていきましょう。
地域が市なのか町なのかには寄りますが、その中で順位が低い場合は対策の必要性が高いです。
対策を現時点で行っていて、順位の改善が見られない場合は4の課題を参照してください。
また、一つのキーワードの順位だけでなく、関連するキーワードでもいくつか確認することが重要です。多くのキーワードで上位に表示されているのに集客ができてない場合は導線に問題がある可能性があります。
2-2,パフォーマンスの確認
実際どのくらいの人が見てくれているのかを確認するには、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスを確認する必要があります。
確認するべき項目は以下です。
- ビジネスの検索に使用された検索語句
- Googleビジネスの表示回数
- 経路案内数
- 電話着信件数
- ウェブサイトアクセス数
まずは、どのくらいのアクセスが来ているのかを確認しましょう。
「アクセス数=認知度」のようなものなので、Googleビジネスを運用する目的が認知度の向上の場合はこの数字が過去と比べてどのような伸び方をしているかを確認しましょう。半年分しかデータは見れないので、こちらはスプレッドシートなので記録しておくと良いでしょう。
アクセスされていても来店の実感がない場合(これが結構多い)は、アクション率を計算していきましょう。経路案内数、電話着信件数、ウェブサイトアクセス数などがアクション率の計測にあたっては重要な項目になります。
ここが少ない場合は、ユーザーが自店のGoogleビジネスプロフィールをみて興味を示さなかったと同義なので、写真をよりよいものにしたり、口コミを増やすことを行っていくと良いでしょう。
検索順位を上げたいと真剣に考えられている方はぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
3,実際にMEO対策で費用対効果を上げている店舗事例
3-1,都内飲食店
まずは、都内での飲食店の事例を紹介します。
対策を行っているのは以下の内容になります。
- 順位向上施策
- インバウンド対策
- メインキーワード+関連ワード一括対策
Googleビジネスを最適化することによって、信頼度が上がるので一定までの数値までは伸ばすことができます。しかし最適化だけでなく、さらに別の市場を開拓することによって表示回数を以下のように伸ばすことが可能です。以下が弊社が提供しているレポートの一部と、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスのスクリーンショットになります。
都内で月間2万回見られるだけでも認知度の向上は見込めますが、こちらの店舗様はさらに多くの認知を獲得しているため、店舗拡大のフェーズに移行しています。
3-2,地方飲食店
次に、埼玉にある飲食店の事例になります。
業種はカフェで、新しく店舗をオープンしてまもなくGooglemapから集客ができてきた状況となっております。
こちらの店舗の成功要因は以下の対策を導入した結果になります。
- 競合他社分析と自社メニューの差別化
- カフェ関連ワードの一括対策
- 外部メディアへの露出
MEO対策で多くの店舗が陥りがちなのが、他店舗と同じようなGoogleビジネスプロフィールになってしまうことです。これではGoogleのアルゴリズムのニーズマッチングから漏れてしまい、地域で強いほかの店舗に埋もれてしまいます。
まずは、ビックキーワード(カフェ)周辺でニーズを分析することがカギです。
例えば、「居心地のいいカフェ」「充電ができるカフェ」「スイーツ カフェ」「パフェ カフェ」などのキーワードボリュームを調べ、ニーズがある部分から対策することが重要です。
4,MEO対策の費用対効果を上げられない店舗のよくある課題と対処法
4-1,順位が上がらない
MEO対策を行っているが、順位の向上が見られない場合は以下の要因が考えられます。
- 最新アルゴリズムに対応しているか
- Googleビジネスプロフィールの設定は正しく行えているか
- 基礎以外の対策を行えていない
- 競合に勝てる戦略を構築できていない
まずは、設定が正確に行えているかの確認を行いましょう。
住所、店名、電話番号、営業時間など記載できる項目にはすべて記入を行いましょう。
また、意外と抜けやすいのはメインカテゴリー設定とサブカテゴリー設定です。
メインカテゴリーは主軸となるビジネスになります。主にはユーザーが検索する際にGoogleAIがGoogleビジネスと紐づけてくれます。Googleビジネスの新規登録時に設定が求められるので、入力自体は済んでいる方が多いと思いますが今一度正しいものになっているかチェックを行いましょう。
サブカテゴリーでは9個まで設定することができます。関連するサービスを必ず登録しておきましょう。
ここまでが基礎設定にあたる部分になりますが、順位を伸ばしていくためには以下のようなことを行ってください。
- 毎日の掲載順位の記録
日々順位を記録することでどのキーワードがいつ上下したのかを把握し、行った対策を振り返ることで対策の進捗を確認することができます。こちらは順位計測ツールを導入するとかなり楽になりますが、難しい場合はシークレットウィンドウで一つずつ調べていきましょう。
- アップデート情報の確認
対策のために常に新しい情報を収集することが重要です。定期的にGoogleの情報を確認するようにしましょう。こちらからページに飛べますので、確認してみてください。
- アルゴリズムの理解
順位決定のアルゴリズムを理解し、効果性の高い対策を継続的に行うことが順位獲得のために重要になります。以下の記事を参考にしてみてください。
4-2,検索キーワードにヒットしない
引っかかってほしいキーワードで対策してもヒットしない場合は以下のような要因が考えられます。
- ワードの調査が不十分
- 対策が不十分
- ユーザー評価の不足
引っかかってほしいキーワードはもちろんあると思いますが、多くの店舗オーナーが陥りがちなのが競合が多いワードで対策をしてしまうことや、ワードがニッチすぎて検索されないことです。
こういったことを避けるために、引っかかってほしいキーワードの抽出と調査を行いましょう。
どのようなキーワードで検索されているのかを見るためにはラッコキーワードなどを参照し、実際どのくらい検索されているのかを確認するにはウーバーサジェストなどのツールを使うと良いでしょう。
良いGoogleビジネスプロフィールは「たくさん検索されていて、他の店舗が対策していないキーワード」から対策しているケースがほとんどです。
MEO対策で費用対効果を上げる方法のまとめ
MEO対策は、特に地域に根ざしたビジネスにとって最適なマーケティング手法です。もちろん、提供しているサービスの質を上げることが最も重要ですが、認知をされないことには始まりません。最近ではInstagramやティックトックを使った集客も注目されていますが、企画や編集にかかる工数、トレンドへの順応、そして時間対効果を鑑みても、少し博打的な手段になりえることも多々あります。
その点、Googleビジネスの対策はより成長までの確率が高く、最終的に更新を行わなかったとしても集客資産として残り続けます。弊社調査によると、Googleビジネスを活用している店舗は全体の3分の1程度となっており、私はより多くのビジネスオーナーがMEO対策についてより深く検討すべきと考えています。